2009年5月26日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
沖電線株式会社(社長:服部 隆 本社:神奈川県川崎市)は、このたび伝送線路原理(注1)を適用し、小型化を実現したサージ(瞬間的に発生する過電圧ノイズ) 抑制(注2)ユニット"ecoサージ ™ U"において、屋内だけでなく屋外使用のモータ端子に取り付けるだけでサージ対策ができる防水型サージ抑制ユニットを開発しました。 本製品は2009年9月からの販売予定で、5月27日~5月29日に開催される「2009電設工業展」に出品いたします。(沖電線ブース番号:1-41、西1ホール、東京ビックサイト)
本製品は従来のフィルター(15kW)に比べ小型、軽量(重量比:5分の1、容積比:4分の1)で0.2kWから75kWの大容量モータまで1種類のユニットでサージ抑制が可能です。 さらに、熱放散効率を上げた密閉構造(注3)(抑制機能部)を採用したことにより従来のフィルターでは対応できない防水構造とし、屋外使用を可能としました。 防水で防塵性能を有したサージ抑制ユニットなので、ユニット設置場所の環境に左右されず、モータ端子に接続するだけで安価にサージ対策が可能となりました。
近年、インバータの小型化、高性能化を目的としたスイッチング速度の高速化に加え、電力効率改善のための適用電源電圧の上昇に伴い、モータの動力ケーブルと そのモータのインピーダンス(注4)の違いから生じるµサージのレベルが大きく成り、これに伴う周辺設置機器の誤動作やモータ自身に悪影響を与えることが懸念されています。 たとえばモータコイルの絶縁劣化を発生させてダメージを与えており、モータの寿命にも影響を与える場合があります。
この対策として、従来はインバータとモータの間にフィルターを使用し、動力信号波形のサージを鈍らせてサージエネルギーを熱として消費していました。 しかしながら、この方式では駆動電力増大に伴い、フィルター内の部品であるコンデンサーやコイルなどに高価で形状が大きい大電力対応品を使う必要があり、設置スペース、 価格、抑制消費電力の増加が問題となっていました。
サージ抑制機能については、従来フィルターがインバータとモータ間にフィルターを挿入するための配線が必要であったのに比べ本製品は、面倒な配線を不要とし、 モータ端子に接続するだけで簡単にサージ対策が可能となります。新規設備への接続は勿論のこと、既存のシステムにもサージ抑制機能を簡単に付加することが可能です。 ユニット形状は小型で省スペースなので、設置場所を選びません。
沖電線では防水型かつコンパクトという特長を活かし、インバータおよびモータを使用する幅広い分野の産業機器市場へ積極的に販売していきます。
モータ容量(0.2kW~75kW)の場合
モータ駆動ケーブル長50m迄、3相200V、3相400Vの電源系列に対応しています。
50m用 横×縦×奥行き 93×261×300 (mm)
2009年9月
2009年度 1億円
2010年度 5億円
伝送線路(電線、および、ケーブル)の特性が適用周波数により一定の変化をする原理です。周波数が高くなれば成るほど、信号電流は導体の外側しか通らないという原理(表皮効果)、および、周波数が低いと伝送線路(電線、および、ケーブル)のインピーダンスは大きくなり、逆に周波数が高いとインピーダンスが低くなり、さらに、周波数が高くなると、周波数変化に関係なく一定に成るという原理をサージ抑制機能の実現に適用しています。
特殊導体、特殊絶縁体を適用したサージ抑制線で伝送線路原理の適用でサージを吸収→減衰→収束でサ ージを抑制します。
富士電機システムズ株式会社殿と共同特許出願済みです。
インピーダンスとは端的に言うと交流信号での電気抵抗値をいう。それ故、電線、ケーブルのインピーダンスとは交流信号での電気抵抗値です。
Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment(EU指令「電気電子機器の中の特定有害物質の使用制限指令」)。
電気電子機器を対象として、2006年7月1日以降にEU加盟国で発売する製品への6化学物質の使用を禁止しています。
対象となる6化学物質は、鉛、六価クロム、カドミウム、水銀、2種類の特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE)です。