2009年6月10日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
沖電線株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:服部 隆、以下 沖電線)は、このたび業界初の極細2mm幅、製品長3mの極細長尺フレキシブルプリント配線板(極細長尺FPC)を開発し、本日より販売を開始します。
本製品は、軽薄、高屈曲かつ高密度での極細配線を可能にするFPCとして開発いたしました。2mm幅のFPCは小サイズの製品でも製作は容易ではありませんでしたが、今回当社の独自技術により長さ3mまでの極細長尺FPCが提供できるようになりました。配線密度は細線ケーブル(電線)の2倍以上の180µmピッチ対応を実現しています。FPCの用途を大幅に広げ、医療機器、産業機器分野をはじめとするマイクロスコープ、ロボット、センサー向けアプリケーションや新たな用途が期待できます。
今回開発した製品は、ケーブルが細線になったことでのハーネス加工の複雑化や誤配線の問題を解決し、細線ケーブルでは実現できなかった「部品実装、軽薄化および高屈曲性」が可能となりました。低背コネクタ(注1)の表面実装やLED、CCD素子(注2)などの部品実装により、機能化やモジュール化が容易になります。また2mmサイズ10芯の配線が1枚のFPCで済ませられ、電線のように絡まりやキンク(注3)などの発生も無くなります。しかもFPCの厚みは50µmレベルまでの軽薄化が可能です。さらにFPCが他の配線部材よりも優位性を持つ高屈曲性についてはIPC屈曲(注4)で1億回以上(1.5R)の特性付与も可能です。
本製品は、片面および両面構造での対応が可能であり、特に両面構造タイプではインピーダンス整合(注5)もできます。高速の画像伝送への適応など、細線同軸ケーブルの代替も可能です。極薄・高柔軟化技術、長尺化技術、高速伝送技術など、当社のコア技術を融合することで実現した製品であり、お客様の製品設計の際、自由度の高さも特長です。
沖電線はお客様の様々な要望に対して、ケーブルとFPC両方のソリューション提供ができる強みを活かし、本製品を医療機器、産業機器、電子機器などの市場に向けて広く積極的に販売していきます。
項目 | 仕様 | 項目 | 仕様 |
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製品長(最大) | 3m | 表面処理 | 金めっき、半田めっき、他 |
製品幅(最小) | 2mm | 屈曲性 | IPC屈曲、1億回以上(1.5R) |
製品厚み(最小) | 50µm | 半田耐熱性 | 260℃,20秒 |
配線密度 | 180µmピッチ | 使用環境 | -50℃~125℃ |
構造 | 片面、両面 | 絶縁性 | 108Ω以上(DC100V) |
高さの低いコネクタ。高さ1mm以下のものがあり、機器の薄型化に伴う狭スペースでの接続が可能となる。
Charge Coupled Device 固体撮像素子のひとつ。
電線を途中に輪ができた状態で引っ張った時にできる結び目。キンクができた電線は被覆が傷んだり、断線しやすくなる。
IIPC(Association Connecting Electronics Industries:米国のプリント回路業界団体)規格による屈曲試験。FPCの代表的な屈曲試験。
交流信号での電気抵抗値を整合すること。