2009年11月30日
日本航空電子工業株式会社
東京都渋谷区道玄坂1-21-2
URL:http://www.jae.co.jp/
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
沖電線株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:服部 隆、以下沖電線)と日本航空電子工業株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:秋山 保孝、以下航空電子)は、このたび電源供給が可能なコネクタ付光ファイバケーブルを共同開発しました。ファクトリーオートメーション(以下FA)や電車車両向けに利用されている大口径H-PCF(※1)光ファイバとF07型(※2)コネクタをベースに両社の強みを活かし、光ファイバを電源ラインで包み込む技術開発に成功しました。電源供給機能をもつ本製品を利用することにより、端末装置の小型化や低コスト化が可能になるとともに、今後需要が高まる車載モニターや監視カメラ等にも利用することができます。2010年4月より販売を開始する予定です。
現在、ノイズの影響を受けないという特長を持つ、大口径H-PCFとF07型コネクタを採用した光ファイバケーブルは、伝送信頼性が高く、高速伝送、低価格での伝送路作りが求められる産業装置用や電車車両用途に主に使用されています。今後、モニターやカメラ等を使用した画像伝送のニーズが高まるとともに、高速化・高精度化が要求される車載用や、劣悪な環境下での監視用途等での利用が期待されていますが、これまで電源供給線が組み込まれていないため、光ファイバの先端での電源供給が必要な監視カメラ用交通システムなどでは設置条件に制約がありました。また、車載モニターもモニターカメラの先に電源が必要なため、ファイバケーブル線とは別に電源を供給しなければならないなど課題がありました。
今回開発した製品は、光ファイバ心線の周りに電源供給用中空導体を包み込ませる形で電源ラインを形成することにより、外部の電源配給が不要となり、端末装置のコンパクト化や低コスト化、設計の自由化を図ることができるようになりました。また、独自の構造を採用することにより、従来の光ファイバケーブルとコネクタと同形状・同サイズを実現し、ケーブル強度を向上させるとともに電源供給機能も提供でき、現在使用中の製品の代わりに本製品をそのまま使うことも可能です。
両社はコネクタメーカとケーブルメーカというそれぞれの特長を活かし、今後協力しながら市場開拓を進めていきます。なお本製品は12月2日~4日の日程で開催されます「'09国際画像機器展」(パシフィコ横浜)にて沖電線ブース(ブース番号89)に出品いたします。(http://www.adcom-media.co.jp/ite/)
従来の2心H-PCFケーブルのファイバ心線とジャケットの間に、細線導体をパイプ状に圧接した特殊な中空導体を作り、そのなかにファイバ心線を内蔵する形で構成(写真参照)することにより、ファイバ心線の保護と電源供給線としての両方の機能を持たせています。また、コネクタは従来のF07型の金属フェルールに中空導体をカシメるように改造を加え、終端部やジョイント部で電気的接続のための接触子付スリーブを通して、フェルール同士が電気と光を同時に接続が可能な構造としています。さらに、コネクタケースから飛び出すフェルール先端部分は絶縁カバーを施し、電気短絡を防止するように工夫した構造を採用しています。
H-PCF(ハードクラッドプラスチッククラッド光ファイバ)は、コア部分に石英ガラス、クラッド部に 屈折率の小さいフッ素樹脂を用いた光ファイバです。 石英系光ファイバ(SM光ファイバ、GI光ファイバ)に比較して、コア径が200μmと大きくとれる為、 受発光部との結合性が高く、安価に簡易なシステムが構築できます。
JIS C5976に規定された2心光ファイバコネクタで、主にPCF、POFの双方向伝送用コネクタに使用されます。