2010年7月20日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
EneSave™ ケーブル
沖電線株式会社(社長:服部 隆 本社:神奈川県川崎市、以下沖電線)は、独自のケーブル技術(※1)(特許申請中)を用い、従来品と比べて同径で電力損失10%削減を実現したインバ―タ用低消費動力ケーブルを首都大学東京(学長:原島 文雄 東京都八王子市南大沢1-1、以下首都大学)と共同開発しました。「EneSave™ ケーブル」として9月から販売します。
近年、省エネや省資源を目的に機器の低消費電力化に対する要望が高まっており、動力ケーブルの電力損失対策が注目されています。動力ケーブルとしてはVCTケーブル(キャブタイヤケーブル)が広く使用されていますが、これまでケーブルの電力損失低減には導体径を太くして抵抗損失(※2)を下げるという方法が多く採用されてきました。しかしながら、省エネ対策として多用されているインバータに代表されるパルス電力駆動では、通常の抵抗損失に加えてケーブル内の主に容量を介して消失していく損失分(※3)があり、導体径を太くしても解消できませんでした。
今回、沖電線と首都大学 理工学研究科の清水教授が共同開発した低消費電力の動力ケーブル「EneSave™ ケーブル」では、インバータ駆動により伝送されるパルス電力の損失が、ケーブル内の容量を充電する充電電流と充電時間の掛け合わせたもので有ることに着目しました。動力線内の心線間の実効誘電率(※4)を小さくすることにより、動力線径を太くせずに従来のVCTケーブルと同一径で400V200W50m駆動において全体の約10%の電力低減(※5)が可能となりました。
さらに「EneSave™ ケーブル」は、長いほど電力損失の低減効果が顕著になる特長を持っています。そのため、工場や農場等に設置されるファンやポンプなどのように、比較的長いケーブルが使われる場合により高い効果を発揮します。
沖電線では、本製品を2010年7月21日~7月23日の間、東京ビッグサイトで開催される「第23回EMC・ノイズ対策技術展」(ブース番号2P-102)に出品します。
(http://www.jma.or.jp/tf/electronics/emc/index.html)
なお、会期中に行われる「出展社セミナー」において、インバータ駆動伝送路のノイズ対策や省電力化を実現するケーブル技術について発表を行います。
セミナー開催日時:7月23日(金)13:40-14:40
セミナー会場:展示会場内特設セミナー会場2(2ホール)
(http://www.jma.or.jp/tf/reg/plan/shutten.html)
項目 | 仕様 |
---|---|
心線間実効誘電率 | 2.0以下 |
充電に伴う消費電力低減率 | VCTケーブルに比べ40%(400V 200W 50m駆動) |
全体電力低減率 | VCTケーブルに比べ10%(400V 200W 50m駆動) |
温度定格 | 80°C |
心線数 | 標準4心(アース含む) |
適用導体サイズ | 0.75SQから8SQ |
ケーブル外径 | 10Φ(導体サイズ0.75SQ) |
2010年9月
2011年度 1億円以上
ケーブル内の心線間の実効誘電率を従来VCTケーブルに比べバラツキ無く大幅に低減できるケーブル技術
動力ケーブルに電流が流れることによる、ケーブル導体抵抗に起因する電力損失で、導体抵抗に比例して増加します。
ケーブル内の主に容量を介して消失する損失分
構造および材料で決まる誘電率
従来のVCTケーブル電力損失分と低消費動力ケーブル電力損失分の差が全体電力容量で占める割合
沖電線の耐ノイズケーブルについては以下のリンク先をご覧ください。
(https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/index.html#noise)