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2014年3月11日

沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/

沖電線、大電流対応と高放熱を同時に実現したフレキシブルプリント配線板「パワーFPC」を開発

~大電流化・高機能化するパワーエレクトロニクスに対応~

パワーFPC
パワーFPC

沖電線株式会社(社長:来住 晶介、本社:神奈川県川崎市、以下 沖電線)は、このたびパワーエレクトロニクス(※1)用に、大電流対応と高い放熱性を合わせ持つフレキシブルプリント配線板(以下、FPC(※2))「パワーFPC」を開発しました。

FPCは現在、薄く、軽く、折り曲げ可能な省スペースの配線板として、電子機器の軽薄短小化を目的に幅広く使用されています。近年では、家電品から産業機器までパワーエレクトロニクスの大電流化、高機能化にともない配線数が増加し、軽薄短小化のためのさらなる省スペース化対応が求められるようになってきました。特に大電流化に対しては、従来のFPCの35μmという薄い回路導体では対応できず、電気容量を増やすには導体幅を広げるしかなくサイズ拡大となる問題がありました。また同時に電流や部品搭載数の増加による発熱も深刻な問題となっています。

このたび沖電線が開発した「パワーFPC」は、多層技術を応用した独自の厚導体材料を使用することにより、従来のFPCでは35μmであった回路導体を100μm以上の厚導体とすることで断面積を増やし、従来FPCと同じ導体幅で2倍近い電気容量への対応を可能にしました。また、2層の両面構造にすることで片側を配線層、もう片側には厚導体の放熱層を設けました(図1、2)。通常、両面構造のプリント配線板は、搭載部品や配線自身から発生した熱を逃がす放熱板としての機能を持ちますが、これを厚導体にすることにより、さらに放熱性の向上が期待できます(図3)。市場で多く用いられているリジッドプリント配線板(※3)と比べ30%以上放熱効果が高いことを確認しました(図4)。

電線ケーブルやリジッドプリント配線板と比較した優れた折り曲げ性というFPC本来の特性を有しつつ、大電流に対応しなおかつ高放熱性という二つの特性を同時に実現した薄型軽量配線板「パワーFPC」は、家電品から産業機器のみならず、医療機器、自動車、航空機、発電など様々な分野への適用が可能です。

沖電線では、今後も多様化するニーズに対応した商品の開発に積極的に取り組んでまいります。

(図1)「パワーFPC」の2層の両面構造

「パワーFPC」の2層の両面構造図

(図2)電気容量比較

電気容量比較

(図3)高放熱構造

高放熱構造

(図4)放熱性の比較

放熱性の評価として、LED(1Wタイプ)実装部のパッド温度について測定し、開発基板の放熱性を確認

項目 リジットプリント配線板 FPC従来品 開発品
発熱部品実装パッドの温度(30分後) 53.5°C 42.4°C 36.4°C
温度低減効果 - 21% 32%

販売計画

販売開始時期:2014年4月
販売目標:2014年度 1億円以上

商品紹介サイト

用語解説

  • ※1:パワーエレクトロニクス

    電力用半導体素子を用いた電力の変換や制御とそれらを応用する技術分野で、家電品から産業機器、車両関連とさまざまな分野のスイッチング装置やインバータなどで広く使用されている。たとえば、IH炊飯器、エアコン、エレベータのインバータなどに用いられている。

  • ※2:FPC(フレキシブルプリント配線板)

    折り曲げることのできるプリント配線板。

  • ※3:リジッドプリント配線板

    堅い銅張積層板からできているので折り曲げができない配線板のこと。ハード基板ともいう。

  • その他、記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
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