2014年5月29日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
右:「長尺高速伝送FPC」(1m)
沖電線株式会社(社長:来住 晶介、本社:神奈川県川崎市、以下 沖電線)は、このたびフレキシブルプリント配線板(以下、FPC)(※1)でありながら長距離高速伝送が可能な「長尺高速伝送FPC」を開発し、2014年6月より販売を開始します。
近年、デジタル電子機器は情報データの増大とその高速化がますます進んでいますが、装置自体は、逆に軽量化・省スペース化が求められています。現在、FPCはその薄さや軽量な特長から、狭小部配線用にスマートフォン他小型携帯機器をはじめ、さまざまなデジタル電子機器で採用されています。しかしその一方、基材の特性から高速伝送時での導体抵抗値が高く、伝送パルスの減衰が大きくなるため、長距離高速伝送にはケーブルと比較し適用が難しい面がありました。
このたび沖電線が開発した「長尺高速伝送FPC」は、最新ポリイミド基材(伝送損失低減効果のある低誘電率・低誘電正接材料(※2))を採用し、当社独自の伝送路設計と長尺工法により、伝送パルスの減衰を抑え、かつ高速伝送に対応する長尺FPCの商品化に成功しました。伝送速度5Gbpsで最大1m伝送を実現しており、これは伝送規格USB3.0(※3)に相当します。
「長尺高速伝送FPC」は、一般ケーブルやリジット基板(※4)と比較し軽量・省スペースで、FPC本来の特長である柔軟特性による高密度配線・一括接続への適性も持ち合わせた上で、長距離高速伝送に対応したもので、これからますます高速化が求められる画像機器分野のカメラリンクケーブルやUSB3.0ケーブル、さらにセンサーやアンテナ分野、FAロボット分野、医療分野への適用が可能となります。
なお、本商品は6月4日(水)から6月6日(金)まで東京ビッグサイトにて開催される「JPCA Show 2014(ブースNo.5M-24)」に出展します。
沖電線では、今後も多様化するニーズに対応した商品の開発に積極的に取り組んでまいります。
販売開始時期:2014年6月
販売目標:2014年度 1億円以上
折り曲げることのできるプリント配線板。
誘電率は、分極の強弱を示す値のこと。誘電正接は、絶縁体内の電気エネルギー損失の度合いのこと。共に低ければ低いほど電気が、高速で流れやすくなる材料となる。
USB(Universal Serial Bus)はパソコンなどの機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つ。USB3.0は従来のUSB2.0と物理的な後方互換性があるが、データ転送速度はUSB2.0の約10倍(USB2.0:最大480Mbps /USB3.0:最大5Gbps)。
硬質基板、ハード基板と呼ばれ曲げられないプリント配線板。