2016年5月30日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
沖電線株式会社(社長:来住 晶介、本社:神奈川県川崎市、以下沖電線)は、このたび従来不可能とされてきた高温環境でも使用可能な「耐熱FPC(注1)」を開発し、2016年6月1日より販売を開始します。本商品は150℃の高温下で連続1,000時間の使用を実現しています。
FPCは高密度配線・一括接続・高柔軟性・軽薄性に優れており、スマートフォンなど電子機器内の省スペース化配線材や可動部配線材、基板として広く使用されています。近年、滅菌加熱が必要な医療機器や産業機器に搭載するモーターの電源や、多様化する照明機器など、高温環境で使用する機器についても高密度配線や省スペース化が進むのに伴い、FPCの需要が高まっています。しかし、従来のFPCでは通常使用する温度の上限が80℃程度で、高温環境下使用のニーズには対応できていませんでした。
このたび沖電線が開発した「耐熱FPC」は、最大150℃の高温下で連続1,000時間の使用に耐えられるFPCです。さらに当社独自の積層技術、表面処理技術と耐熱材料を組合せることにより、実証実験で「150℃、1,000時間」経過した後も、電気的に問題なく構造的にも絶縁被覆の接着強度(JPCA規格:3.4N/cm以上)を維持することを可能としています。「耐熱FPC」は片面板と両面板に対応し、また設計基準をそのまま利用することができるため、従来とまったく変わらずに設計することができます。
「耐熱FPC」は、これまで不可能であった高温環境でFPC本来の高密度配線・一括接続性・軽薄性の特徴を活かすことで、医療、照明、産業機器などの分野で新たな配線スタイルに貢献します。また沖電線では、今後も多様化するお客様のニーズに対応した、商品の開発に積極的に取り組んでいきます。
なお、本商品は2016年6月1日(水)から6月3日(金)まで東京ビッグサイトにて開催される「JPCA Show 2016」(ブースNo.5F-20)に出展します。
試験条件 | 項目 | 特性 |
---|---|---|
150℃ 1,000時間後 | 絶縁被覆密着 | ≧344N/M |
耐電圧 | フラッシュオーバーなし | |
絶縁抵抗 | ≧105MΩ | |
スルーホール接続信頼性 | 抵抗上昇率≦5% |
販売時期:2016年6月1日
販売目標:2016年度1億円以上
折り曲げることのできるプリント配線板。