2017年6月5日
沖電線株式会社
神奈川県川崎市中原区下小田中2-12-8
URL:https://www.okidensen.co.jp/
沖電線株式会社(社長:来住 晶介、本社:神奈川県川崎市、以下 沖電線)は、このたび、透明ポリイミド(注1)フィルムを基材に採用した透明性と耐熱性に優れたフレキシブル基板(以下、FPC)(注2)「透明FPC」を開発し、本日より販売を開始します。なお、本商品は、6月7日(水)から6月9日(金)まで東京ビッグサイトにて開催される「JPCA Show 2017」(ブースNo.5E-04)に出展します。
電子機器の軽量化・コンパクト化が進むなか、機器内配線の重量やスペース制限への対策として、軽量で柔軟性を備えた配線材料としてFPCが広く採用されています。従来、FPCは機器内部の人目に触れない箇所で使用されるケースがほとんどでした。しかし近年、機器のデザイン性向上の追求にともない、人目に触れる箇所でFPCが使用されることも増えてきており、白や黒に着色されたものの利用増加に加え、フレキシブルディスプレイやタッチパネルなどのフレキシブルデバイスや、LED(注3)などの半導体素子をリフロー(注4)して使用する電子機器など、FPCの利用の幅も広がっています。このような電子機器などでは、FPCは透明性を兼ね備えることが必要です。
FPCの基材として、一般的に耐熱性の高いポリイミドフィルムが多く使用されていますが、透明性には課題がありました。一方、透明性を高くするのに適した基材のポリエステル(注5)フィルムは耐熱性が低く、FPCで使用する場合、リフロー時の熱による基材の反りや寸法変化などが生じてしまうことが問題でした。
沖電線は、耐熱性を高いまま透明性も実現するFPCの開発に取り組みました。基材には耐熱性の高い透明ポリイミドフィルムを採用することで、リフロー時の発熱による反り・寸法変化の課題を解決し、また、株式会社 旭電化研究所およびDKN Research LCCと共同開発した接着剤レス銅張り積層板(注6)を使用することで、より透明性と柔軟性を高めた「透明FPC」を実現しました。これにより、フレキシブルデバイス機器はもとより、デザイン性を重視するウェアラブル機器、医療機器などさまざまな分野への適用が可能となります。
沖電線では、今後も多様化するニーズに対応した商品開発に積極的に取り組んでまいります。
左:「透明FPC」背景色(基板外縁)が透けて見える
左:「透明FPC断面」接着剤レス構造で透明性と柔軟性を高めている。
2017年度 1億円/年以上
会社名:株式会社旭電化研究所
本社所在地:東京都練馬区旭町2-17-7
設立年月日:1966年7月1日
資本金:1,000万円
代表者:代表取締役社長 溝口 昌範
従業員数:25名
事業内容:薄板およびフレキシブルプリント基板、セラミック基板回路、HDD部品へのめっき加工、
特殊表面処理加工、先端技術開発
会社URL:http://www.adk-lab.co.jp/index.html
会社名:DKN Research LLC
本社所在地:米国マサチューセッツ州
発足年月日:2001年7月1日
資本金:USドル1,000
代表者:代表取締役社長 沼倉 研史
従業員数:9名
事業内容:エレクトロニクス製品パッケージの設計・開発
会社URL:http://www.dknresearch.com/
剛直で強固な分子構造を持ち、高分子中で最高レベルの高い熱的、機械的、化学的性質を持つ。
FPC材料の絶縁基材として広く用いられている。耐熱温度は500°C以上。
折り曲げることのできるプリント基板。
発光ダイオード(英: light emitting diode)。順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子。
プリント基板上に半田ペーストを印刷し、その上に部品を載せてから熱を加えて半田を溶かす方法。
飲料容器として知られるPETボトルのほか、フィルム、衣料用の繊維などに広く用いられている。
耐熱温度は120°C程度。
FPCの主材料となるポリイミドフィルムと銅箔を張り合わせた積層板において、接着剤を含まずポリイミドフィルムと銅箔のみの構造となる銅張り積層板。