電線・ケーブル

 

電線用語集

あ行

アイパターン
デジタル信号伝送において、伝送信号品質を検証するために使用する信号波形。
ランダム信号を重ね合わせて得られる波形で、アイダイアグラムとも言う。
あじろがい装
鉄などの金属線を編組状に編み込んだ保護層。側圧や衝撃などへの耐久性、引張強度面での機械的保護を求められる場合に施される。主に船舶用電線で使用される。
イーサネット
IEEE802.3(ISO 8802-3)で標準化されたネットワーク方式で、産業用を含めて標準的な方式。
10Mbps~100Gbpsまで複数の伝送速度が規定されている。
インピーダンス
伝送路上を流れる電流と電圧の比。ケーブルの場合、伝送路のインダクタンス(L)、キャパシタンス(C)、純抵抗(R)、コンダクタンス(G)の合成抵抗で表される。
AWG
American Wire Gageの略。米国で使用されている電線の心線断面積などを表す導体寸法規格。
FA
FAとはFactory Automationの略。ここで使用されるケーブルには機械油などに対し耐性のあるシースを用いる場合がある。
遠端漏話減衰量
Far end cross talk
2つ以上の伝送路において、信号入力側伝送路から、容量性と誘導性結合により、近接する信号伝送路上に生じる信号を漏話と呼ぶ。
入力信号レベルと遠端側で測定される漏話レベルの比。

か行

首振り屈曲
ケーブルの特定箇所を中心に左右に曲げられる動き。ロボットアーム内部でケーブルが曲がる動きなどがこれに当たる。
許容電流
Current carrying capacity又はAmpacity
伝送路に流すことができる最大電流で、伝送路と絶縁材料の連続使用最高温度範囲を基準として決められる値。
近端漏話減衰量
Near end cross talk
2つ以上の伝送路において、信号入力側伝送路から、容量性と誘導性結合により、近接する信号伝送路上に生じる信号を漏話と呼ぶ。
入力信号レベルと近端側で測定される漏話レベルの比。
ケーブルキャリア
ケーブルを摺動させる場合にケーブルを収納するための可動用配線ガイド。
減衰量
Insertion Loss又はAttenuation
伝送路上を伝搬する信号エネルギーが熱エネルギーや外部導体に漏出などして、信号レベルが低下する現象で、周波数が高いほど減衰量が増大する。
CoaxPress
2010年12月に日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)により標準化されたマシンビジョンシステム用のインターフェース規格。
同軸ケーブルの1本で6.25Gbpsまでの高速伝送に対応している。
Camera Link
米国マシンビジョン業界団体のAIAが標準化し、産業用デジタルカメラのデータ伝送方式を定めたインターフェース規格。

さ行

サージ
インバーターなど矩形波を電源供給に使用する電源装置の場合、矩形波の立上りと立下り時に負荷装置(モーターなど)のインピーダンスと電源ケーブルのインピーダンスの不整合により生じる反射波で、高電圧のノイズ。
モーターなどの絶縁性能を低下させるなどの影響を生じる。
差動伝送
Differential signaling
2つの伝送路に逆向き(逆位相)の電流を流し、信号伝送する方法。
電圧の振幅を小さくでき、かつノイズにも強く、外部へ影響を与える放射ノイズも低減できるなどのメリットを有しており、高速のデジタルインターフェースでは多く用いられる伝送方式。
ケーブル内の伝送路には、2本の信号線をより合わせたツイストペアやその上にシールドを施したツイナックス、同軸2線を使用する方法がある。
シース
心線、集合心などを保護するために、外側に施す被覆をさす。使用される材料はPVC、ポリオレフィン、ゴムなどがある。
使用環境に合わせて耐油、耐熱、難燃性などの性能を付加した材料が使用される。
シールド
回路、伝送路などを外部ノイズから保護するための層、又は回路、伝送路上を流れる信号から内部ノイズが放射されるのを防止するための層。
金属シェル、金属テープ、金属編組などで回路、伝送路を包み込む構造物で遮蔽とも言う。
摺動屈曲
ケーブルをU字に曲げた状態で左右にスライドする動き。ケーブルキャリア内でのケーブルの動きがこれに当たる。
シングルエンド
GNDを基準として、信号レベルを伝達する伝送方法で、ケーブルの場合、GNDと信号線の2つの導体を使用する。
2本の信号線を使用する方法と同軸ケーブルのように、導体とシールドを使用する方法がある。
スキュー
2本以上の信号線を伝搬する信号の伝搬時間の差。差動伝送の場合、対の心線間の差を対内スキュー(イントラスキュー)、対間の差を対間スキュー(インターペアスキュー)と言う。伝搬遅延時間差とも言う。
静電容量
Capacitance
導体間に蓄えることができる電荷(電気エネルギー)を表す量。キャパシタンスとも言う。
絶縁抵抗
Insulation resistance
絶縁体における電流の流れにくさを表す量で、大きいほど絶縁性能が高い。
ケーブルの場合、導体間や導体とシールド間の性能を表す。

た行

耐電圧
Withstand voltage
導体を取り巻く絶縁体の電圧に対する耐性を表す。導体を介して絶縁体に電圧を加えた際に、絶縁破壊を生じることなく印加できる電圧の上限の値。
チャネル
通信ネットワークの構成において、ネットワーク装置(HUB、スイッチなど)と端末装置(PCなど)間の配線全体のこと。
チャネル特性を満足することで装置間の通信が可能となる。
伝搬遅延時間
Propagation delay time
伝送路を電気信号が伝搬するのに要する時間。(電気信号が入力端から出力端までに到達する時間)Delayとも言う。
ツイストペア
2心の信号線をより合わせた構造。長手方向でノイズを打ち消し合い外部へのノイズ放出を低減できると同時に、外部からノイズの影響も受けにくくなる効果がある。
特殊エラストマー
エラストマーとはゴムの様な弾性を有した高分子のこと。用途に合わせて特殊な配合を行い絶縁やシースなどで最適化を図っている。
ドレンワイヤ
金属遮蔽層付のケーブルにおいて、コネクタなどの金属部分との接続加工を容易にするために金属遮蔽層に接した金属線のこと。

な行

難燃性試験
ケーブルの難燃性試験は、水平(JIS)、60°傾斜(JIS)、垂直(UL VW-1,CAS FT-1など)、垂直トレイ、ライザー、プレナム(スタイナートンネル)といった試験方法がある。
水平からプレナムまでの順で試験条件が厳しくなっており、試験方法は、使用環境や用途、適用される規格に応じて選択される。
捻回
ねじりのことで、ロボット本体などの回転軸内でのケーブルの動きがこれに当たる。
ノンハロゲン
ハロゲン化合物(フッ素、塩素、臭素、ホウ素、アスタチン)を含まない状態をさす。
ハロゲン化合物を含むプラスチック(PVCなど)を、燃焼させたり、熱などで分解すると、プラスチック中の水素と結びついて毒性、腐食性の高いハロゲン化水素ガス(塩化水素ガス、臭化水素ガス)を発生する。
ノンハロゲン(ハロゲンフリーとも言う)化することで、燃焼時や熱分解時の、これら有害なガスをなくすことができる。

は行

反射
Return
伝送路上のインピーダンスが異なる箇所において、伝送信号が跳ね返される現象。
インピーダンスの差の大きさにより、反射する信号レベルが異なり、差が大きいほど反射が大きくなる。
反射減衰量
Return Loss
伝送線路への入射信号に対して反射により戻ってきた信号との比。
bps
bit per secondの略。bitは情報量の最小単位。
1秒間に伝送できる情報量の単位。数値が大きいほど情報伝送量が多く、高速伝送が可能となる。
光ファイバーケーブル
電気信号の代わりに光の強弱を使用して伝送するケーブル。
信号の減衰が小さく、長距離を高速で伝送することが可能で、電気信号と異なり外部の電気的なノイズの影響を受けないという特長がある。
フィールド
ネットワーク
制御機器間や計測機器間などを主にしたデジタル信号を用いたネットワークのこと。コントローラーやセンサーなどが含まれる。
複合ケーブル
導体サイズや構成の異なる心線を1つにまとめたケーブルのこと。光とメタルの組み合わせや信号線と電源線を1本にまとめることなどが考えられる。
フラットケーブル
複数の絶縁心線を並列に並べて、一体形状に成形したケーブル。
主に内部配線用途で使用されている。

ま行

マシンビジョン
人の目の代わりに画像を認識し、位置決めや種別、計測、検査を行うシステムのこと。
デジタルカメラや画像処理装置などで構成される。他に交通監視システム、安全装置用の車載カメラ、セキュリティ用途の監視カメラなどのアプリケーションも含まれる。

や行

USB3 Vision
米国マシンビジョン業界団体のAIAがUSB3.0規格をベースにマシンビジョンシステム用に標準化したインターフェース規格。
5Gbpsまでの高速伝送に対応している。

ら行

RoHS
電気電子機器に含有される特定化学物質の使用制限に関する欧州議会および欧州理事会の指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substance in Electrical and Electrical Equipment)。「加盟国は、2006年7月以降に上市される新しい電気電子機器において、特定有害化学物質(6物質)が含有されていないことを保証しなければならない」と規定された。
その後、2015年6月にフタル酸エステル類4物質の規制追加が公表され、2019年7月の含有規制開始により10物質が規制対象となった。
ロボットケーブル
汎用的なケーブルに比べ、屈曲や摺動、捻回などの動きに対する耐久性、機械周辺の環境に対応した耐油性などの優れた特性を有する。
製品・技術に関してのお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ