電極線用語集
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A~
- C2700W
- 日本産業規格(JIS規格)の銅および銅合金分類(JIS H3260)において、その化学成分比がCu 63-67%、Pb、Fe、Ni、Mn、Alそれぞれ0.02%以下、Zn残部である黄銅の合金記号。
主にOB-P/PNシリーズが該当する。
- C2800W
- 日本産業規格(JIS規格)の銅および銅合金分類(JIS H3260)において、その化学成分比がCu 59-63%、Pb、Fe、Ni、Mn、Alそれぞれ0.03%以下、Zn残部である黄銅の合金記号。
主にOB-PZ/PZNシリーズが該当する。
あ行
- 亜鉛被覆ワイヤ
- 黄銅ワイヤの表面に亜鉛層を有するワイヤ。
黄銅ワイヤに比べて加工速度が大きく、被加工物への銅付着が少ない。
OS-Z/UZシリーズが該当する。
めっきワイヤ、コーティングワイヤ、コーテッドワイヤなどとも呼ばれる。
- 位置決め
- 被加工物とワイヤの位置関係を正確に決定する段取り。
OKI電線のワイヤは線径のバラツキが小さいため、位置決め性が良好である。
- 黄銅粉
- ワイヤが放電加工機の走行ラインを長時間走行することによって発生する粉。
走行ライン上やガイド類に堆積し、断線などの不具合を起こす要因となる。
- 黄銅ワイヤ
- 黄銅からなる単層構造のワイヤ。
ブラスワイヤ、真鍮ワイヤなどとも呼ばれる。
か行
- カール率
- 一定長のワイヤを自重で吊り下げたときの、吊り下げ軸中心とワイヤの下端の差を示す指標。
長手方向と横方向のカール率がある。
カール、クセなどとも呼ばれる。
- 回収袋
- 電極線リサイクルネットワークにおいて、使用済みワイヤを回収するための袋。
ご契約のお客様へ無償で送付している。
ワイヤ回収袋とも呼ぶ。
- 加工速度
- 単位時間に加工できる被加工物の量。ワイヤ放電加工では主にmm/min(ミリメートル毎分)やmm2/min(平方ミリメートル毎分)などが用いられる。
亜鉛被覆ワイヤ、特にOS-UZシリーズは高速加工に優れる。
- 経時変化
- 時間の経過とともにワイヤの品質が変化していく現象。
主に酸化、時効硬化などがあり、ワイヤは高温多湿を避けて保管することが望ましい。
- 硬質ワイヤ
- 軟質ワイヤと比べて弾力性があり、汎用的に用いられるワイヤ。OB-P/PNシリーズ、OB-PZ/PZNシリーズが該当する。
ハードワイヤとも呼ばれる。
さ行
- 自動結線
- 自動でワイヤをガイドに挿入して結線する機能。
ワイヤのカール率が小さいほど、自動結線を安定して行える傾向がある。
- シュリンクパック
- 製品を酸化・腐食・汚損などから保護するためにボビンを覆う透明の包装フィルム。
- 真円度
- ワイヤ断面の真円からの狂いの大きさを示す指標。
ある二次元図形を2つの同心円の間に挟んだとき、その間隔が最小となる場合の二円の半径差。
OKI電線では、真円度が0.25µm以下になるように管理している。
- スジ
- ワイヤ放電加工後の加工面に確認される、ワイヤの走行方向と平行なスジ状の模様。
加工条件により顕著に確認される場合とされない場合があり、また、研磨処理を行うと顕著に確認される場合がある。
加工スジ、縦スジ、ワイヤマークなどとも呼ばれる。
- スラッジ
- 放電加工によって除去された被加工物と、消耗したワイヤによる微細粒子。
放電経路中にスラッジが存在すると短絡や異常放電の原因になり、放電加工に悪影響を及ぼす。
加工屑とも呼ばれる。
- 寸法精度
- 放電加工後部品の狙い寸法に対する正確さ。
- 線径公差
- ワイヤ径の許容誤差範囲。
OKI電線では線径公差±1µmで管理している。
た行
- テーパー加工
- ワイヤ放電加工において、ワイヤを鉛直方向からズラした状態で加工する方法。
広角のテーパー加工にはOB-Bシリーズが最適。
- 電極線
- ワイヤ放電加工機で使用する消耗部材。
電極線の選定方法はこちら。
ワイヤ、ワイヤ電極などとも呼ばれる。
- 電極線リサイクル
ネットワーク
- 放電により消耗した使用済みワイヤをOKI電線にご返却頂いて、新品ワイヤを無償でお客様に還元するシステム。
ワイヤ購入費を節約でき、また、金属資源をリサイクルするため環境への負荷が小さい。
送料や回収袋などの費用は、OKI電線が全て負担する。
システムの詳細・申し込みはこちら。
な行
- 軟質ワイヤ
- 硬質ワイヤと比べて展延性が高く、広角テーパー加工に用いられるワイヤ。OB-Bシリーズが該当する。
ソフトワイヤとも呼ばれる。
- 伸び
- ワイヤの塑性変形のしやすさを示す指標。
引張試験により測定・算出され、%(パーセント)で表される。
試験方法はJIS Z 2241に則る。
- ノンパラフィンワイヤ
- 表面にパラフィンを塗布していないワイヤ。表面の潤滑性が低く、走行ライン上でのスリップが発生しにくい特徴を持つ。
OB-PNシリーズ、OB-PZNシリーズが該当する。
は行
- パラフィン
- 無色透明の炭化水素化合物。ワイヤ表面に塗布することで一定の潤滑性が得られる。
表面にパラフィンを塗布したワイヤをパラフィンワイヤ、塗布していないワイヤをノンパラフィンワイヤという。
パラフィン塗布の有無については、放電加工機により推奨が異なる。
流動パラフィンとも呼ばれる。
- パラフィンワイヤ
- 表面にパラフィンを塗布したワイヤ。表面の潤滑性が高く、走行ライン上で黄銅粉が発生しにくい特徴を持つ。
OB-Pシリーズ、OB-PZシリーズが該当する。
- 引張強さ
- ワイヤが引張方向の力にどれだけ強いかを示す指標。
引張試験により測定・算出され、MPa(メガパスカル)で表される。
試験方法はJIS Z 2241に則る。
- 放電加工
- 電極と被加工物の間に放電現象を繰り返し発生させ、被加工物を溶融除去しながら加工する加工方法。
導電性材料であれば材料の硬さに関係なく加工でき、切削加工などに比べて高精度であることが特徴である。
- ボビン
- ワイヤを巻き付けておくための、プラスチック製の筒。
ま行
- 面粗さ
- 放電加工面の粗さ。
主に、Ra(算術平均面粗さ)やRz(最大高さ粗さ)などのパラメータが用いられる。
面粗さを抑えた加工にはOS-Zシリーズが最適である。
わ行
- ワイヤくぐり
- ワイヤ端末が下の線に潜り込む現象。
ワイヤ使用時に繰り出しが不安定になるため、自動結線性や加工精度に悪影響を及ぼす。
ワイヤくぐりの発生要因と対象方法はこちら。
くぐり、線くぐりとも呼ばれる。
- ワイヤ放電加工
- 放電加工のうちワイヤ状の電極を用いる加工方法。