概要について
概要
フレキシブル基板(FPC)とは、薄い絶縁材(プラスチックフィルム)を使い、曲げることができる構造のプリント配線板(基板)です。
一般的に基板と言うとリジッド基板(硬質基板)を指します。リジッド基板は部品搭載(実装)して回路形成をする硬いボードであり、曲がらない構造です。
一方、フレキシブル基板(FPC)は曲げたり折ったりができる薄くて柔らかい特性のため、機器内の三次元配線や可動部配線を可能にします。身近な電子機器に数多く使われており、携帯電話や液晶テレビなど、電子機器の小型・軽量化には欠かせない存在になっています。
本に挟んでも、厚みをまったく感じさせないほどの薄さです
曲げに強い構造です
フレキシブル基板(FPC)は、リジッド基板よりも軽い性質を持ちます。
歴史
フレキシブル基板(FPC)の歴史は意外に古く、もともとは1960年代に宇宙開発・航空・軍事などの用途に使われたのが始まりです。
1970年代になり、小型化を要求される光学一眼レフカメラ・薄型電卓の蝶番部などの民生品に転用されると、電子機器に押し寄せる「薄型・小型・軽量化」という大波に乗り、急速な普及を果たしました。今日では、民生品・産業品を問わず、ほとんどの電子機器に使用されています。
当社がフレキシブル基板(FPC)の製造を始めたのは1970年であり、長年に渡り培った技術と豊富な採用実績がございます。
使用方法
フレキシブル基板(FPC)は、基板間・ユニット間などを結ぶ接続ケーブルのような使い方ができます。
基板間・ユニット間などに接続した後の状態では、用途により2種類の配線方法に分別して考えることが可能です。
機器への接続後には動かすことのない「固定配線」と、携帯電話のヒンジ部などの繰り返し屈曲をする「可動部配線」とに分別されます。
構造
片面構造
フレキシブル基板(FPC)の基本構造(薄くて柔らかい)を最も発揮できる構造です。
折り畳みや可動部での使用には、基本的に片面構造を推奨します。
特長 | 構造 |
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両面構造
両面に銅箔を二層持つ構造のFPCです。
配線ルールが同じである場合、片面構造よりMin1/2の小型化が可能です。
接続端子の逆向き(表裏)配線・クロス配線など、設計自由度や機能化は格段に高まりますが、フレキシビリティは低下します。
特長 | 構造 |
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多層構造
フレックスリジッド構造
フレキシブル基板(FPC)にリジッド基板を取り込んだ構造です。当社では、中層のフレキシブル基板(FPC)を表層(表裏)のリジッド基板材で挟むサンドイッチ構造を取ります。
この構造は、リジッド部がリジッド基板同様の機械強度を持つのが特長となります。つまり、リジッド基板とフレキシブル基板(FPC)を組み合わせた製品であり、コネクタレス化と立体配線が可能になります。
多層フレキシブル基板(FPC)構造
多層フレキシブル基板(FPC)は全層をフレキシブル基板(FPC)材で構成する製品です。この構造は、軽薄化・高密度化に優位性を発揮します。また、同一材構成なので耐熱性も優れます。
携帯電話・デジタルカメラなどの軽薄小型化と高機能化に貢献し、多方面の機器に採用されています。
特長 | 構造 |
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